オフロードバイクのタイヤ交換について、画像(写真)を元に手順をまとめました。自分で交換できるようになると、林道でパンクしたときに慌てず対処できるようになります。
また、摩耗したオフロードタイヤは、ゴムが劣化して硬くなっているので取り外しに力が必要です。自分で交換することで、新品タイヤと摩耗タイヤの違いが実感できると思います。
使用部品
・ダンロップD603 リア 120/80-18 1本(公道走行可)
ネット通販価格:1本 7080円(税込)
使用工具
・トルクレンチ(93N.mで締め付けれるもの)
・バルブレンチ 1個
・10mmメガネレンチ 1本
・12mmメガネレンチ 1本
・17mmメガネレンチ 1本
・24mmメガネレンチ 1本
・タイヤレバー 3本
・リムプロテクター 4個
・ビードクリーム又は洗剤 少々
・メンテナンススタンド 1台
・空気入れ 1台
交換手順
(1)ホイールを外しやすいようにブレーキキャリパーを手で押し、パッドとディスクの間に隙間をあけておきます。次に、17mmと24mmのメガネレンチを使いアクスルシャフトのナットを緩めます。緩めるときは、タイヤが動かないように地面にタイヤが接地している状態で行います。
(2)車体をジャッキを使い上昇させ、チェーンをスプロケットから外して横に垂らしておきます。アクスルシャフトを外すときに抜けないときは、軽くプラハンで叩き外します。
(3)タイヤを地面に置くときに枕木をタイヤと地面の間に挟みます。枕木を使うとスプロケットやブレーキディスクが、地面に接触することを防止することができます。また、タイヤレバーを使うとき力が入りやすく作業が楽です。
(4)カラー2個とバルブナット(10mm)を外して、タイヤの空気をバルブレンチを使い抜きます。バルブを外すとき、一気にバルブを外すと小さいバルブが空気圧で飛んで無くなる事があるので、空気を徐々に抜く事がポイントです。
ビードストッパーも12mmのメガネレンチを使用して外します。ビードストッパーのナットは12N.mのトルクで締め付けてあるので、簡単に緩める事ができます。
(5)タイヤのビードを落とします。タイヤレバーを使った瞬間にビードが落ちる事は無いので、全体的にタイヤレバーを使いビードを緩めていきます。ビードを緩めていると突然ビードが落ちます。反対側も同じようにビードを落とします。
枕木があるのでスプロケット側かブレーキディスク側の何方からビードを落としても、スプロケットやブレーキディスクが傷つく事はありません。
ビードが落ちない場合は、ビードを落とす専用工具はありますがオフ車の場合、時間を掛けてビードを緩めればビードは落ちます。
(6)タイヤレバーを使いタイヤを外します。摩耗したタイヤはゴムが劣化して固くなっているので、タイヤをタイヤレバーで外すときにリムを傷つけたり曲げる危険があります。アルミホイールの場合、リムを傷つけたり曲げない為にもリムプロテクターの使用をお勧めします。
(7)タイヤレバーをバルブと反対側に3本差し込み、1本ずつスプロケットの方へ曲げていきます。タイヤレバーはフックになっている方を差し込みます。深く差し込みすぎてチューブを破らないように慎重に行います。
スプロケットの方へ曲げるとき非常に大きな力が必要です。タイヤレバーが外れて手をスプロケットで強打することもあるので、焦らずゆっくり作業します。
(8)1ヶ所タイヤが外れたら、タイヤレバーのヘラの方を使い後は簡単にタイヤを外せます。力を入れる必要もなく簡単ですが、チューブを破らないように慎重に外していきます。
(9)片方タイヤが外れたらチューブを取り出します。バルブをタイヤの中に押し込み、バルブ側からチューブを外します。取り外したチューブは空気を入れて、空気漏れがないか確認しておきます。
(10)ブレーキディスク側も同じ要領で外します。チューブは入っていないので、作業は簡単です。
(11)両方の外せたら、タイヤを手で持ってホイールを足で押し出します。押し出すとき、スプロケット側を足で押さえるようにします。ブレーキディスク側を押すとディスクが傷つくので注意が必要です。
(12)ホイールとタイヤが外れたらリムバンドを外しホイールを掃除します。ホイールにタイヤの黒いカスがついている場合、真鍮(しんちゅう)ブラシで綺麗に除去する事が出来ます。真鍮ブラシではアルマイト加工は剥がれませんが、磨きすぎるとアルマイト加工が薄くなります。
(13)リムバンドとビードストッパーを取り付けたら、新しいタイヤをホイールに取り付けていきます。取り付けを行いやすいように、タイヤのビード部とホイールにビードクリーム又は洗剤を添付します。
(14)新品のタイヤは柔らかいので、タイヤレバーを使い簡単にホイールに取り付ける事ができます。タイヤレバーはヘラの方を使用します。ビードストッパーが邪魔をしてタイヤが入らない場合は、ビードストッパーのボルトを押すと簡単にタイヤを入れることができます。
(15)チューブを入れてバルブを穴から出します。バルブがホイールの中に戻らないように、バルブのナットを仮止めしておきます。バルブをホイールの穴から出す時、手袋をすると手も痛まず、滑りやすいので作業が簡単です。
タイヤの黄色い印とバルブの位置を合わせておきます。
(16)取り外した時と同じ要領で、少しずつ取り付けていきます。新品のタイヤはゴムが柔らかいので簡単に取り付けることが出来ます。
(17)取り付け後、空気を入れてビードを出します。ビードが出ない場合は、パーツクリーナーを出ないヶ所に少し吹き付けて滑りを良くします。ビードを出す時の空気圧は、3kgf/㎠程度空気を入れます。ビードが出たら空気圧を1.5kgf/㎠に調整します。
空気圧の調整後、ビードストッパーのボルトを12N.mのトルクで締め付けます。バルブのナットは手で締めこむ程度で十分です。
(18)最後に車体に取り付けてタイヤ交換作業は終了です。17mmと24mmのメガネレンチを使いアクスルシャフトのナットを93N.mのトルクで締め付けます。タイヤの取り付け後、リアブレーキを踏んでブレーキが効くか確かめます。
慣らし運転は、2〜3時間後に空気圧を再度確認した後に行います。
まとめ
交換作業の所要時間は1時間程度が目安です。初めてタイヤ交換する場合、交換作業中にチューブを破ることが予測されるので、予備のタイヤチューブを準備しておくと安心です。
古いタイヤをホイールから外す時がタイヤ交換の難所です。短いタイヤレバーを使うと力が必要ですので、30cm程度のタイヤレバーを使用することをお勧めします。
タイヤ交換作業はバイク整備の中でも力が必要な作業です。気持ちが焦ると怪我をする事があるので、休憩しながら作業を進めるようにします。