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スペースXがメカゴジラでロケットブースターをキャッチしたことについてまとめ!

スペースXが行った驚くべき技術革新について解説します。スペースXが2024年に実施したスターシップのテストフライトで、ロケットの1段目である「スーパーヘビーブースター」を巨大なお箸のような装置でキャッチするという前代未聞の成功を収めました。この記事では、この技術の背景やその意義、今後の展望について詳しく説明します。

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スペースXのスターシップとスーパーヘビーブースター

まず、スターシップとは、スペースXが開発を進めている次世代宇宙船であり、火星移住や月面探査、さらには地球上での超高速移動手段としても利用が想定されています。スターシップは2段構造になっており、1段目が「スーパーヘビーブースター」、2段目が「スターシップ」と呼ばれています。スーパーヘビーブースターは、合計33基のラプターエンジンを搭載しており、その推力でスターシップ全体を宇宙へ送り出します。

スーパーヘビーブースターは地球の大気圏を抜けた後、切り離されて地球に戻ってくるのですが、これを再利用することで打ち上げコストを大幅に削減することができます。スペースXのこれまでのロケット「ファルコン9」では、1段目のブースターが自動で着陸する技術を確立してきましたが、今回のスーパーヘビーは、その技術をさらに進化させたものです。

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「メカゴジラチョップスティック」とは?

今回のスターシップのテストフライトでは、スペースXは従来の着陸脚を使用する代わりに、「メカゴジラチョップスティック」と呼ばれる巨大な装置を用いました。この名称は、メカゴジラのような外観と、お箸のようにブースターをつまみ取る動作からきています。

メカゴジラチョップスティックは、テキサス州の打ち上げ基地「スターベース」に設置された巨大なタワーに取り付けられており、垂直に降下してくるスーパーヘビーブースターを正確にキャッチします。従来の方法では、ブースターは逆噴射を行い、自身の着陸脚で地面に着地していましたが、着陸脚は重量がかさむ上、着地時に倒れてしまうリスクも伴っていました。

この新しいシステムでは、ブースターのグリッドフィン(飛行中に姿勢を制御するための装置)がチョップスティックにぴったりとハマることで、ブースターを安全に捕らえる仕組みです。これにより、着陸脚を取り付ける必要がなくなり、ロケットの軽量化と安定した着地が可能となりました。

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スーパーヘビーブースターの回収と再利用

今回の試験飛行では、スーパーヘビーブースターのキャッチに成功し、その後、ブースターは発射台に戻され、次回の打ち上げに備えることができる状態まで整備されました。最終的には、わずか1時間ほどの整備で再度打ち上げ準備が完了するという目標に向かって技術が進歩していることが示されました。

この技術が成熟すれば、地球上の大陸間移動を1時間以内で行うことも現実のものとなるかもしれません。例えば、ニューヨークから東京までわずか数十分で移動できる未来が訪れるかもしれません。このスピードと効率性を実現するために、スペースXは全力で開発を進めています。

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耐熱タイルと再突入

スターシップの2段目である宇宙船部分は、試験飛行後にインド洋に着水しましたが、その際の再突入時に、スターシップの外側を覆う耐熱タイルが損傷することなく無事に耐えたことも重要なポイントです。これにより、スペースXは今後、スターシップが垂直着陸する実験に進むことができるでしょう。

今後の計画では、最初に海への垂直着陸を試み、その後、最終的にはスターシップが地球一周して再び打ち上げ基地に帰還するようなミッションが行われる可能性もあります。ファルコン9で2段目の回収を断念したイーロン・マスク氏でしたが、スターシップではこの回収の実現に向けて着実に歩みを進めています。

完全再使用型ロケットへの挑戦

スペースXが目指しているのは、ロケットの完全再使用です。1段目のスーパーヘビーブースターだけでなく、2段目のスターシップも再使用できるようにすることで、宇宙開発のコストを劇的に削減し、頻繁な宇宙ミッションを可能にします。

これが実現すれば、単なる宇宙探索にとどまらず、地球規模での超高速交通手段の提供、火星移住計画、さらには月面基地の設立など、人類の未来を大きく変える可能性があります。

まとめ

今回のスターシップテストフライトでのスーパーヘビーブースターのキャッチ成功は、スペースXが掲げる完全再使用型ロケットの実現に向けた大きな一歩です。メカゴジラチョップスティックというユニークな装置を用いたこの試みは、ロケットの軽量化や安全性の向上、効率的な再利用を目指したスペースXの革新的な技術の象徴ともいえます。

これからもイーロン・マスク氏率いるスペースXの挑戦は続き、近い将来、宇宙旅行や地球上での超高速移動が日常の一部となる日が訪れるかもしれません。