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WR125Rは買いか?KLX230・CRF250Lと比較して分かった結論!

ヤマハWR125Rが、2026年3月30日に正式発売されました。
ヤマハとしては、セローの生産終了以来、久々となる本格的なオフロードバイクの復活です。125ccという排気量ながら、WRの名を冠して登場したこのモデルに、期待と同時に「本当にどんなバイクなのか?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

私自身も発表当初から注目しており、実際に試乗する機会を得ました。今回はカタログスペックだけでは分からない、実際に跨り、走らせてみて感じたWR125Rの“気になる点”を、まとめていきます。

まず最初に感じたのは、125ccとは思えない車体の存在感です。

WR125Rの車体サイズは、セローより一回り大きく、かといってYZやWR250Rといったフルサイズオフロードよりは一回り小さい、非常に中間的なポジションにあります。数値だけを見ると想像しづらいのですが、実車を前にすると「思ったよりデカい」というのが正直な第一印象でした。

跨ってみると、その印象はさらに強くなります。シート形状自体はかなり細く作られており、足を下ろしやすいのですが、車体の幅感や高さは125ccのそれではありません。
身長159cmの女性が跨った場合でも、お尻を少しずらせばギリギリ足は着きます。ただし、安心感があるかと言われると微妙なラインです。

もっとも、オプションのローダウンシートやリンクを組み合わせれば、シート高は805mmまで下げられます。この状態であれば、女性ライダーでも現実的に扱える高さになりますし、日常使いも視野に入ってくるでしょう。

一方、身長170cm前後の男性であれば足つきに不安を感じることはほぼありません。停止時の安定感は十分で、信号待ちやUターンでも困る場面は少ないと思います。

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125ccの感覚を超える車重と取り回し|フルサイズ級の存在感

ただし、ここで次の「気になる点」が出てきます。
それは取り回しの重さです。

WR125Rの車重は138kg。数値だけを見ると「125ccにしては重いな」という印象ですが、実際に触ってみると、その数字以上にずっしりと感じます。理由の一つは、ハンドル位置の高さと車格です。フロントが高く、重心が上にあるため、押し引きや切り返しでは重量感が強調されます。

ハンドルを引っ張って前輪の位置を変えるような動作は、正直かなり厳しいです。セローやXR230、スーパーシェルパのような感覚で扱うと、「あれ、こんなに重かったっけ?」と戸惑うと思います。

リア側も同様で、フレームを持って車体を持ち上げるような場面では、明確に力が必要です。男性でも油断すると腰にきます。この感覚は、125ccというより250ccフルサイズオフロードに近いと言っていいでしょう。

なぜここまで重いのか。
理由ははっきりしています。

WR125Rは水冷エンジンを採用し、現行の排ガス規制に対応するための装備を多数搭載しています。さらに、VVA(可変バルブ機構)という複雑な機構も持ち、フロントフォークは41mm径の極太正立、リアスイングアームは鉄製です。これらが積み重なった結果、車重138kgという数字になっています。

このクラスのオフロードバイクでは、空冷エンジンで120kg前後が一つの基準です。その意味で、水冷138kgというのは、もはやフルサイズオフロードバイク並みの重さと言えます。

ただし、すべてがマイナスかと言われると、そうでもありません。

実際に走り出してみると、フロント周りの剛性感はかなり高く、ふわふわした不安定さは感じません。41mmインナーチューブの正立フォークは見た目以上にしっかりしており、ハンドリングも落ち着いています。

さらに、タイヤサイズがフルサイズオフロードより一回り小さい点も効いています。
フロントは2.75-21、リアは4.10-18。リアタイヤは一般的な120/80-18と比べて幅が約20mm細く、取り回しや挙動の軽さに貢献しています。重さと足回りの剛性、タイヤサイズのバランスは、結果的に「プラマイゼロ」といった印象です。

ここまでが、WR125Rに初めて触れて感じた、車体まわりと重量に関する率直な感想です。
次の後半では、実際の走行性能、エンジンフィール、VVAの印象、林道での挙動、そして整備性や全体評価について、さらに踏み込んでいきます。

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エンジン特性と走行性能|125ccを超える実力はあるのか

ここからは、WR125Rを実際に走らせてみて感じたエンジン特性・走行性能・林道での印象について触れていきます。

まずエンジンですが、WR125Rは125ccクラスとしてはかなり意欲的な内容になっています。最高出力は10,000rpmで15馬力。数字だけを見ると「さすがに非力では?」と思うかもしれませんが、実際に走らせると印象は少し変わります。

加速感としては、セロー225、XR230、スーパーシェルパ230といった230cc空冷クラスよりは、わずかに劣る印象です。ただし、大きく引き離されるわけではなく、「ちょっと負けるかな」程度に収まっています。125ccという排気量を考えれば、かなり健闘していると言っていいでしょう。

一方で、ホンダCT125ハンターカブと比べると、パワー感は圧倒的にWR125Rのほうが上です。アクセルを開けたときの伸びや、高回転まで回したときの余裕は完全に別物で、舗装路での流れに乗る走りや登り坂での粘りもWR125Rのほうが明確に有利です。

ウィリー性能については、高速域でフロントが軽くなるような加速力はありません。スロットルを開けただけで前が浮くようなバイクではないです。ただし、低速域でのウィリーは可能で、クラッチ操作を使えばフロントは素直に上がります。とはいえ、振り落とされそうになるような荒々しさはなく、全体的に穏やかな特性です。

この穏やかさに大きく関係しているのが、VVA(可変バルブ機構)です。WR125Rでは7,000rpm付近からVVAが作動し、油圧によってカムプロフィールが切り替わります。ただ、正直なところ「切り替わった瞬間が分かるか?」と言われると、私は分かりませんでした。段付き感や急激なトルク変化はなく、自然に回転が伸びていく印象です。

VVAはバルブの開く“量”を変える仕組みではなく、バルブが開いている“時間”を変えることで高回転域の効率を高める機構です。ホンダのVTECとは考え方が異なり、派手さよりもスムーズさを重視した設計と言えます。

低速トルクについても230ccクラスと大きな差は感じませんが、車重138kgという数字が効いてきます。120kg前後の軽量な空冷オフ車と比べると、「重さを動かしている感覚」はどうしてもあり、トルクに余裕があるとは言い切れません。

ツーリング用途では意外と守備範囲が広く、時速60km前後での巡航やストップ&ゴーでは特に不満はありません。大型バイクと一緒でも極端に置いていかれることはなく、230ccや250ccクラスのオフ車と混ざって走ってもストレスは少ない印象です。

林道に入ると、WR125Rのキャラクターはさらに明確になります。セローやXR230、シェルパ230と比べると車体は明らかにがっしりしており、特にフロント周りの剛性が高いです。ギャップでハンドルが暴れる感じや、フワフワとした頼りなさはほとんどありません。

この点は250ccクラスの現行オフロードと比べても大きな差はなく、「125ccだから不安」という印象はかなり薄いです。その反面、軽快さやヒラヒラ感は控えめで、路面に張り付くような安定志向の走りになります。ここは好みが分かれるポイントでしょう。

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整備性と総合評価|WR125Rは誰のためのバイクか

次に、個人的に気になったのが整備性です。
正直に言うと、WR125Rは整備しやすいバイクではありません。

VVA機構や排ガス対策の装備がエンジン周りを囲むように配置されており、外観からエンジンがほとんど見えないほど入り組んでいます。排気系の取り回し、ラジエーターホース、VVAの油圧ホース、ドレンホースなどが複雑に配置されており、経年劣化による水漏れやオイル漏れのリスクはどうしても気になります。

万が一トラブルが起きた場合、「どこが悪いのか」を突き止めるまでに時間がかかりそうだ、というのが率直な印象です。昔ながらの空冷オフ車に慣れている人ほど、この複雑さには戸惑うでしょう。

また、チェーンは428サイズが採用されています。低速寄りにスプロケットを変更すると、チェーンやスプロケットへの負担が増えるため、カスタム時には注意が必要です。

ここまでを踏まえたうえで、WR125Rを一言で表すなら、かなり攻めたコンセプトのバイクです。現行車で比較すると、KLX230より車体は大きく、パワーは劣る。価格も乗り出しで約54万円と、正直かなり強気な設定です。

倒立フォーク、250ccエンジン、アルミスイングアームを備えたCRF250Lの乗り出し価格が約61万円であることを考えると、「よほどのヤマハ好きでなければ選びにくい」というのが現実的な評価でしょう。

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まとめ

初めてオフロードバイクに乗るなら、現行車ではKLX230やCRF250Lのほうが分かりやすく、万人向けです。WR125Rは、KLX230のエンジンにCRF250Lのフレーム感覚を組み合わせたような、非常に尖った立ち位置にあります。

個人的には、空冷125cc・車重100kg前後で、KLX230より一回り小さいトライアル寄りのコンセプトで登場してくれたら、評価は大きく変わっていたかもしれません。

WR125Rは「ダメなバイク」ではありません。ただし、「誰にでも勧められるバイク」でもありません。
このクセの強さを理解したうえで選ぶなら、WR125Rはきっと刺さる人には深く刺さる一台になるはずです。

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