
「バイオハザード」という名前に惹かれて、新作『バイオハザード サバイバルユニット』をリリース当日にダウンロードした。あの有名シリーズの名を冠したゲームがどんな体験を提供してくれるのか、胸を躍らせながら説明欄を読むと、ふと目に入ったのが“同盟”の文字。まさか、とは思いつつもゲームを開始した。ただ、その期待と不安が入り混じった感情は、プレイを続けるうちに大きく揺れ動くことになる。
序盤はとにかくワクワクが止まらなかった。探索パートは旧バイオシリーズの固定視点を彷彿とさせ、どこか懐かしく、それでいて新しい。緊張感のあるアングル、画質の良さ、そして丁寧に配置された謎解き。これらはシリーズファンにとって理想的な“原点回帰”にも思え、最初の数時間は純粋に楽しめた。一方で、プレイを進めるほどその印象は大きく変わっていく。良かった部分と気になった部分を整理しながら、その理由を改めて掘り下げていきたい。
探索パートの完成度はシリーズ屈指のワクワク感
まず声を大にして言いたいのは、探索そのものは本当に面白いということだ。
固定カメラの演出は、まさしく昔のバイオシリーズを思い出させる。廃墟となった施設を歩き回りながら、視界の端に何かが動いて見えたり、角を曲がった途端に不気味な足音が聞こえたり、この“操作と演出がもたらす恐怖”は、ホラーゲームとして本当に良くできている。
謎解きもほどよい難易度で、テンポよく進行する。シリーズの雰囲気を残しつつも、スマホ向けゲームとして遊びやすい設計になっている点は好印象だった。
さらに、過去作キャラが登場するのもファンにとっては嬉しいサプライズ。例えばマービンが生きて登場した時には、思わずテンションが上がってしまった。ジルなど一部のキャラは課金が必要だが、それでも「会えるだけで嬉しい」という気持ちは確かにあった。
しかし最大の問題は「探索がゲームの主軸ではない」こと
探索がこれほど面白いのに、それが“ゲームのメインではない”という点が非常に残念だ。
序盤のチュートリアルを終えると、物語の流れは急激に拠点運営へとシフトする。資源集め、建物のアップグレード、他プレイヤーの動向チェック……いわゆる “よくある城ゲー” がそのまま展開される。
せっかくの高品質な探索は、まるでオマケのようになってしまう。その落差はかなり大きい。
拠点強化が単調すぎて飽きる
序盤のワクワク感が消え、同じ作業の繰り返しになる。スマホゲームにありがちな「資源を集める → 数字を上げる → また集める」の流れが延々と続き、バイオ作品としての魅力とは大きく離れてしまっている。
強課金者がゲームバランスを支配する構造
プレイヤー同士が資源を奪い合うPVP要素は、シリーズファンには好まれにくい。ましてや強課金者の存在は避けられず、ほとんどのユーザーは戦力差に圧倒されることになる。
実際にプレイしてみると、シールドが解除された瞬間に重課金者から拠点を攻撃され、炎上するのは日常茶飯事。資源は奪われ、防衛もできず、ただ不快なだけのループが続く。
私自身少額課金はしたものの、戦力差はあまりにも歴然で反撃すら不可能だった。まして無課金ユーザーであれば、続けるのはかなりの忍耐を要するだろう。
同盟システムとコミュニティの空気も重い
同盟に加入すると、独自のルールが大量に提示されるケースがあり、上位プレイヤーほどその傾向が強い。ディスコードなど外部ツールで細かな指示が飛び交い、プレッシャーがかかる。
私は盟主を務めているが、順位が上がるほど他の強豪同盟に目をつけられ、ルールの押し付けや干渉も増え、純粋に楽しむことが難しくなっていった。
シリーズの世界観にも確かに“生存者同士が争う”という描写はあるが、それはあくまで物語の一部であり、ゲームの中心ではない。しかし本作はその要素が主軸になっており、バイオらしさから大きく外れてしまっている印象が強い。
チュートリアルから既に不安が募る構造
序盤の操作性や仕様にも気になるポイントが多い。
・弾を拾ったのに、武器を持っていないと弾が消える
・回復スプレーを拾わずに通ると消失する
・カメラアングルが変わると操作性が乱れる
・ゾンビ襲来までのカウントダウン中にもチュートリアルが強制される
これらが積み重なると、最初の印象はかなり悪くなってしまう。シリーズファンほどギャップを強く感じるかもしれない。
全体の総評:探索は傑作級、しかしゲームの根幹がシリーズファンには厳しい
総合すると、本作は「バイオキャラを使った城ゲー」という評価になってしまう。
探索パートは本当に良くできていて、シリーズの魅力を再確認できるほどワクワクする。しかし、その後のゲーム展開はほぼ別ジャンルのものになり、期待していた“サバイバルホラー”から大きく離れていく。
課金前提のキャラ解放、重課金者が支配するPVP、攻撃と略奪の繰り返し……
こうした構造が“求めていたバイオ作品”と噛み合わず、離脱者が多いのも理解できてしまう。
シリーズキャラが好きで千円ほど課金した私ですら、「続けるのは難しい」と感じるほどだ。既に姿を見なくなったプレイヤーもおり、サービス継続への不安も残っている。
もし探索が主軸であれば、もっと高評価を得ていた可能性は十分にある。
しかし現状では、多くのプレイヤーが望んだ“バイオらしさ”よりも、“課金と略奪が中心の別ジャンル”が前に出てしまっている。
バイオシリーズが好きだからこそ悔しい。
それが、このゲームを遊んだ率直な感想だ。

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