JB23型ジムニーのクーラント交換手順を徹底解説!排出量・洗浄方法・エア抜きまで初心者でも失敗しない方法!

JB23型ジムニーは、シンプルな構造で整備性が高く、DIYメンテナンスを楽しめる車として今なお高い人気があります。その中でも定期的に行いたい整備のひとつが「クーラント(ラジエター液)の交換」です。

クーラントはエンジンの冷却だけでなく、防錆・凍結防止といった重要な役割を担っています。しかし、エンジンオイルと比べると交換頻度が低いため、つい後回しにされがちです。劣化したクーラントを使い続けると、オーバーヒートやラジエーター内部の腐食といったトラブルの原因にもなります。

この記事では、JB23型ジムニーのクーラント交換について、必要な工具や部品、実際に排出される量、水道水での洗浄方法、失敗しやすいエア抜きのコツまで、実体験をもとに詳しく解説します。

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必要な工具・部品

まずは、今回の作業で使用した工具と部品です。

・クーラント(青)4リットル
・クーラント液注入工具(ファンネル)
・大きめのタライ(排出クーラント受け皿用)

今回は以下の商品を使用しました。

古河薬品工業(KYK)ラクラク スーパークーラント 青 2リットル
Amazonで936円で購入
サムコス クーラントファンネル(アダプター3種付き)
Amazonで2,550円で購入

クーラント液注入工具は必須ではありませんが、エア抜きのしやすさと作業効率が段違いです。価格も安く、今後も使えるので購入して損はありません。

JB23型ジムニーのクーラント整備情報

JB23型ジムニーのクーラント容量は以下の通りです。

冷却水総容量:4リットル(リザーバタンク別)
交換時に排出される量:約2.2リットル

エンジン内部 1,800nl
ラジエータ 2,200ml
リザーバタンク 600ml(MAX位置)
合計 4,600ml

なぜ全量が抜けないのかというと、サーモスタットによりエンジン内部にクーラントが残る構造だからです。そのため、単純にドレンを開けただけでは半分程度しか抜けません。

JB23型式 車体番号 クーラントの種類
1型〜7型 JB23W-600001~ LLC
8型〜10型 JB23W-650001~ スーパーLLC

クーラントの交換目安は、
初回7年または15万kmで
以降4年または7.5万kmとされています。

クーラント交換手順

① ヒーターを暖房側へ最大にする

エアコンパネルの温度調節ツマミを、右に目一杯回して暖房側へ設定します。

これにより、ヒーターコア内のクーラントがラジエーター側と循環する状態になります。
ヒーター内部のクーラントも交換するために、この作業は必須です。

② ラジエーターキャップを外す

ラジエーターキャップを左に回して外します。
半回転ほどするとバネの力で回しにくくなるため、上から押しながら左へ回すと簡単に外れます。

※エンジンが冷えている状態で作業してください。

③ クーラントを排出する

車体下に大きめのタライを置き、ラジエーター下部のドレンを開きます。

ドレンが固くて回らない場合は、ペンチで軽く挟んで回すと簡単に外れます。
ドレンを外すと、勢いよくクーラントが排出されます。

ペットボトルやバケツでは飛び散るため、タライを使うのがベストです。

④ 水道水でラジエーター洗浄

クーラントが抜けたらドレンを閉め、水道水でラジエーターを洗浄します。

今回の作業では、約2.2リットルのクーラントが排出されました。

クーラントの重量は1リットルで約1.15kg
水の重量は1リットルで約1.0kg

エンジン側にはサーモスタットによりクーラントが残るため、水道水による洗浄を行うことで内部をできるだけ綺麗にします。

⑤ 水道水を注入しエア抜き

クーラント液注入工具を装着し、水道水を約2.2リットル補充します。

1Lのペットボトルに水道水を入れて注入すると作業が楽です。
ファンネルに水を入れたら、ラジエーターのアッパーホースを何度も強くモミモミしてエアを抜きます。

アッパーホースは鷲掴みするくらいの力で揉むと、エア抜きがスムーズです。
この時点で水道水が全量入らなくても問題ありません。余った分はファンネルに残しておきます。

⑥ エンジン始動・暖気

エア抜きがある程度できたらエンジンを始動します。
ウォーターポンプが作動し、クーラントが循環し始めます。

冬場はラジエーターファンが回らないため、
アッパーホースを握って熱いと感じる程度まで暖気します。

暖気中もアッパーホースを揉むことで、残った水道水がエンジン内部へ入っていきます。

暖気後の水温計の表示は、水温計の針が水温表示を少し隠した位置となります。この位置で水温80〜90℃前後となります。

JB23ジムニーの正常水温:80〜90℃前後
サーモスタット作動:約82℃
ファン作動:約95〜100℃

メーター中央は「正常範囲内」です。

クーラント交換やエア抜き後は、水温計が中央で安定しているかが重要となります。

⑦ 水道水を排出(洗浄の繰り返し)

十分に循環したらドレンを開き、水道水を排出します。
この作業を繰り返し、排出される水の色がほぼ透明になるまで行います。

完璧を目指す必要はありません。
今回は3回ほど洗浄しました。

この工程がクーラント交換で最も時間がかかる部分で、
作業開始から約1.5時間経過していました。

⑧ クーラントを充填する

水道水を完全に排出したら、クーラントを注入します。

クーラントは水より粘度が高いため、一気に入れると跳ねやすくなります。
エア抜きをしながら少しずつ注入するのがコツです。

今回使用したクーラントは希釈済みタイプですが、
エンジン内部には約1,800mlの水道水が残っています。

気になる場合は、

・クーラント原液 2,000ml
・純水 200ml
・エンジン内の水道水 1,800ml

合計4Lになるよう調整すると理想的です。

サービスマニュアルに記載されているクーラント容量4リットルには、リザーバタンクの容量は含まれません。

⑨ 再度エア抜き

クーラント充填後、アッパーホースを揉んで気泡が出なくなったらエンジンを始動します。

定期的にアッパーホースを揉んでエア抜きを行います。暖気後、10分程度が目安です。

何度やっても少量の気泡は出るため、ある程度で切り上げてOKです。

エンジンが温まりラジエーター内部の圧力が上がると、行き場のない空気や膨張したクーラントがリザーバータンクへ押し出されます。

その後エンジンが冷えると、リザーバータンク内のクーラントがラジエーターへ吸い戻されるため、多少ラジエーター内にエアが残っていても、走行や冷却を繰り返すうちに徐々に解消されます。

⑩ 作業完了

アッパーホースが熱くなり、ファンネルから湯気が出てきたらエンジンを停止します。
ラジエーターキャップをしっかり締めて、クーラント交換は完了です。

⑪ リザーバータンクの清掃・交換

最後にリザーバータンク内のクーラントを交換します。
タンク内にコケや汚れがある場合は、キッチンハイターで洗浄すると擦らなくても綺麗になります。

今回は、リザーバタンクへクーラントを500mlほど補充しました。

1週間ほど運転するとリザーバータンクのクーラントが減ってくるので、再度リザーバータンクへクーラントを補充します。今回は、1週間ほどで100mlほど減っていました。

まとめ

JB23型ジムニーのクーラント交換は、時間はかかるものの特別な工具がなくてもDIY可能な整備です。
特に水道水での洗浄と丁寧なエア抜きを行うことで、冷却性能をしっかり回復させることができます。

「最近水温が気になる」「前回いつ交換したか分からない」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。
愛車のコンディションを保つうえで、確実に効果を実感できる整備のひとつです。

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